外国人アルバイトの教育方法|言葉の壁を減らす店舗教育

 株式会社グラブデザイン

外国人アルバイトを迎える飲食店は、珍しいものではなくなりました。まじめに働いてくれるスタッフが多い一方で、店長からは「説明したつもりが伝わっていなかった」「分かったと言っていたのに、違うやり方をしていた」という声も聞かれます。

こうしたすれ違いの多くは、本人の能力ではなく、言葉の伝え方や確認の仕方から生まれています。日本語が分からないわけではなくても、早口の説明、店の中だけで使う言葉、あいまいな表現は、母国語でない人にとって大きな壁になります。

この記事では、外国人アルバイトの教育で言葉の壁を減らす方法を、話し方、見せ方、確認の仕方、質問しやすい環境づくりの順に解説します。

外国人アルバイトの教育でつまずきやすいところ

日本語で教えるときに、外国人スタッフがつまずきやすいのは次のような場面です。

  • 店の中だけの言葉:「バッシング」「デシャップ」「上がり」など、店や業界で使う言葉

  • あいまいな表現:「適当に」「いい感じに」「なるべく早めに」

  • 省略した言い方:「それ、あっちに」「さっきのやつ」

  • はっきり断らない言い方:「それはちょっと…」のように、最後まで言わない表現

  • 「分かりましたか」への返事:分からなくても「はい」と答えてしまう

最後の「はい」には注意が必要です。相手に悪いと思って、分からなくても「はい」と答える人は少なくありません。「分かりましたか」と聞くだけでは、本当に伝わったかは確かめられません。

やさしい日本語で話す

外国人スタッフへの説明には、やさしい日本語を使うと伝わりやすくなります。やさしい日本語とは、難しい言葉を言い換え、短い文ではっきり伝える話し方です。

伝わりにくい言い方

やさしい日本語の例

バッシングお願いします

お客様が帰ったテーブルの、お皿を下げてください

適当に並べておいて

グラスを、この線にそろえて並べてください

なるべく早めに来てね

10時50分までに、裏の入口に来てください

それ、あっちに持っていって

このお皿を、洗い場に持っていってください

ちょっと難しいかな

それはできません。かわりに、これをしてください

話すときは、次の点も意識してください。

  1. 一つの文で、一つのことだけを伝える

  2. ゆっくり、区切って話す

  3. 「あれ」「それ」ではなく、物の名前を言う

  4. 時間や数は、具体的な数字で伝える

  5. 大切な言葉は、くり返して伝える

店の中だけの言葉は、使わないのがいちばんですが、どうしても使う言葉は、意味と一緒に一覧にして渡しておくと、ほかのスタッフとの会話にもついていけるようになります。

言葉より先に「見せる」

言葉の壁があるときほど、見せて伝えることが力を発揮します。手の動きや完成品の見本は、言葉が分からなくても伝わります。

やって見せてから、やってもらう

説明より先に、教える人がやって見せてください。そのあと本人にやってもらい、できたところを伝えます。教え方の基本の手順は、飲食店の新人教育マニュアル|初日に教えること・教え方を解説で紹介しています。

動画や写真で残す

その場で見せた手順は、時間がたつと忘れてしまいます。手順を短い動画や写真に残しておけば、本人が何度でも見返せます。動画には、短い言葉や絵文字を載せると、日本語が得意でない人にも伝わりやすくなります。スマホでの動画の作り方は、飲食店の動画マニュアルの作り方|スマホだけで始める方法で解説しています。

印や色で示す

「グラスはこの線まで」「青いふきんはテーブル用」のように、店の中に印や色の決まりを作っておくと、言葉で説明しなくても伝わる場面が増えます。

母国語の助けを借りる

やさしい日本語や見せる工夫をしても、細かい決まりや衛生のルールは、母国語で読めたほうが確実に伝わります。

  • 集合場所や身だしなみなど、勤務前に確認してほしいことを、本人の読める言語で用意する

  • 衛生や安全に関わるルールは、特に母国語で伝わる形にする

  • 翻訳の道具を使う場合は、短い文で入力すると誤訳が減る

翻訳した文章は、意味が変わっていないか、できれば一度確かめてください。短く、はっきりした日本語で書いた元の文ほど、翻訳しても意味が崩れにくくなります。

伝わったかを確かめる方法

「分かりましたか」の代わりに、次のような方法で、伝わったかを確かめましょう。

  • 本人に、実際にやってもらう

  • 「次は何をしますか」と、手順を言葉で説明してもらう

  • 二択で質問する(「このお皿は、洗い場ですか、棚ですか」)

  • 勤務の終わりに、分からなかったことを聞く時間を作る

実際にやってもらうのが、いちばん確実です。間違えたときは責めずに、もう一度やって見せてから、やり直してもらいましょう。

質問しやすい環境を作る

外国人スタッフは、日本語で質問することに、日本人のスタッフ以上にためらいを感じる場合があります。質問しやすい環境を作ることも、教育の一部です。

  1. 初日に「分からないことは、何度聞いてもよい」と伝える

  2. 相談相手を一人決めて、紹介する

  3. 口頭だけでなく、文章で質問できる手段を用意する

  4. 同じ質問が多いときは、答えを動画や一覧にして共有する

文章で質問できる手段があると、翻訳の道具を使いながら、落ち着いて質問できます。ただし、店長と個人の連絡先を交換することに抵抗を感じる人もいるため、店の連絡と個人の連絡を分けられる手段があると安心です。

外国人スタッフに限らず、入店直後の新人が辞めてしまう理由についてはアルバイトがすぐ辞める原因は?飲食店の新人教育を見直すポイントを、短時間の勤務の人の受け入れについてはスキマバイト受け入れマニュアル|勤務前に伝えるべき10項目もあわせてご覧ください。

TemPoを使うと

FireRocket TemPo(テンポ)の新人の画面は11言語に対応しており、スマホの言語に合わせて表示されます。動画の字幕の翻訳はオプションでご用意しています。店長がスマホで撮った30秒ほどの縦型動画に、文字や絵文字を載せて、言葉に頼りすぎない教材を作れます。勤務前の確認と勤務後のふりかえりもスマホでできます。新人の質問には、お店の動画と資料をもとにAIアドバイザーが答え、答えられない質問は店長に届きます。お店とのトークを使えば、LINEを交換しなくても新人と店長がメッセージをやりとりできます。

よくある質問

Q1.日本語がほとんど話せないスタッフにも教えられますか?

やって見せる、動画や写真で残す、印や色で示すといった、言葉に頼らない伝え方を組み合わせることで、教えられる作業は多くあります。衛生や安全のルールなど大切な内容は、本人が読める言語で用意しておくと安心です。

Q2.やさしい日本語は、日本人のスタッフにも使ってよいですか?

使ってかまいません。短い文で、具体的に伝える話し方は、日本人の新人にとっても分かりやすいものです。店全体で、あいまいな表現を減らすきっかけにもなります。

Q3.翻訳の道具に頼ってよいのでしょうか?

翻訳の道具は、言葉の壁を減らす助けになります。短く、はっきりした日本語で入力すると、意味が崩れにくくなります。大切なルールは、翻訳した文章の意味が合っているか、できれば一度確かめてください。

Q4.「はい」と言ったのに、できていないことがよくあります。

分からなくても「はい」と答えてしまうことは珍しくありません。「分かりましたか」と聞く代わりに、実際にやってもらう、手順を説明してもらう、二択で質問するといった方法で、伝わったかを確かめてください。

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