飲食店の動画マニュアルの作り方|スマホだけで始める方法

 株式会社グラブデザイン

「ドリンクの作り方を何度説明しても、新人によって仕上がりが違う」「盛り付けの見本を文章で書いても伝わらない」。飲食店の作業には、言葉や文字では伝えにくい手の動きや、見た目の基準がたくさんあります。

こうした作業を伝えるのに向いているのが、動画マニュアルです。動画というと、専用の機材や編集の技術が必要だと思われがちですが、いまはスマホ一台で十分に作れます。大切なのは映像のきれいさではなく、新人が見て「同じようにできる」ことです。

この記事では、飲食店の動画マニュアルをスマホだけで作る方法を、作業の選び方から撮影、新人への渡し方、更新の仕方まで順に解説します。

動画にすると伝わりやすい作業の選び方

すべての作業を動画にする必要はありません。まずは、次のような作業から選ぶと効果が出やすくなります。

動画に向いている作業

例

手の動きや順番が大切な作業

ドリンクの作り方、盛り付け、ビールの注ぎ方

見た目の基準がある作業

完成品の見本、テーブルセットの並べ方

場所を覚える必要がある作業

食材や備品の置き場所、ゴミの分別場所

新人が入るたびに説明している作業

開店準備、締め作業、制服の着方

反対に、店のルールや連絡事項など、文字で読めば分かる内容は、文章のほうが早く伝わる場合があります。紙と動画の使い分けについては、紙のマニュアルが読まれない理由|動画マニュアルとの使い分けで整理しています。

迷ったときは、「新人が入るたびに、自分が同じ説明をしている作業」を書き出してみてください。そこが動画にする優先順位の高い作業です。

撮影の前に決めておくこと

撮影を始める前に、次の3つを決めておくと、撮り直しが減ります。

1本の動画で伝えることは一つにする

「開店準備のすべて」を1本にまとめると、長くなり、新人は必要なところを探せません。「テーブルの拭き方」「おしぼりの補充」のように、1本で一つの作業にしぼってください。目安として、30秒ほどで見終わる長さにすると、勤務の合間にも見返してもらえます。

完成の基準を決める

その作業が「できた」と言える状態を決めておきます。たとえば「グラスの泡の高さが指一本分」「器のふちに汚れがない」のように、見て確かめられる基準があると、新人は自分で確認できます。

撮る人と演じる人を決める

手元を撮る場合、作業する人と撮る人を分けると撮りやすくなります。一人で撮る場合は、スマホを固定できる場所を探しておきましょう。スタッフの顔を映すときは、本人の了承を取ってから撮影してください。

スマホで撮るときのコツ

特別な機材がなくても、次の点に気をつけるだけで見やすい動画になります。

  1. 縦向きで撮る:新人はスマホを縦に持って見ることが多いため、縦向きで撮ると画面いっぱいに映ります。

  2. 手元に寄る:作業の手元が画面の大部分を占めるくらいまで近づきます。引きすぎると、何をしているか分かりません。

  3. 明るい場所で撮る:厨房の奥など暗い場所では、手元が見えにくくなります。照明の真下や、窓の近くを選んでください。

  4. ゆっくり動く:ふだんの速さで作業すると、見ている人には速すぎます。いつもより少しゆっくり動いてください。

  5. 完成の状態を最後に映す:作業の終わりに、完成品を数秒止めて映すと、基準が伝わります。

音声で説明を入れる場合は、厨房の音で聞き取りにくくなることがあります。大切な言葉は、次に紹介する文字で画面に載せるほうが確実です。

文字や印を載せて、音がなくても伝わるようにする

新人が動画を見るのは、休憩中や通勤中など、音を出せない場面も多くあります。音がなくても伝わるように、画面に文字や印を載せましょう。

載せる文字は、次のような短い言葉が向いています。

  • 手順の番号(「1.氷を入れる」「2.シロップを注ぐ」)

  • 注意してほしい点(「ここで止める」「こぼさない」)

  • 分量や基準(「泡は指一本分」「グラスの線まで」)

文字は一画面に一つか二つにしぼり、作業の動きと同じタイミングで表示すると分かりやすくなります。外国人スタッフがいる店では、短い言葉や絵文字のほうが伝わりやすい場合もあります。言葉の壁を減らす工夫は、外国人アルバイトの教育方法|言葉の壁を減らす店舗教育でも取り上げています。

新人への渡し方と見てもらう工夫

動画を作っても、見てもらえなければ意味がありません。渡し方にも工夫が必要です。

いつ見るかを決めて伝える

「時間があるときに見ておいてください」では、なかなか見てもらえません。「初回の勤務の前に、この3本を見てきてください」のように、見るタイミングと本数を具体的に伝えましょう。

見つけやすく並べる

動画が増えてくると、どれを見ればよいか分からなくなります。「勤務の前に見るもの」「ホールの作業」「キッチンの作業」のように分けて並べると、新人が自分で探せます。

見たあとに確かめる

動画を見たあと、実際にやってもらい、店長がふり返りの声をかけます。動画は説明の代わりにはなりますが、やって見せてもらう時間は残しておくほうが定着します。教え方の手順は、飲食店の新人教育マニュアル|初日に教えること・教え方を解説で紹介しています。

作ったあとの更新と管理

メニューや手順は、季節や仕入れによって変わります。古い動画が残っていると、新人は古い手順で覚えてしまいます。

  • メニューや手順が変わったら、その作業の動画を撮り直す

  • 撮り直したら、古い動画は新人が見られないようにする

  • 定期的に、いま使っている動画を店長が見直す

1本が短ければ、撮り直しの手間も小さく済みます。長い動画を1本作るより、短い動画をたくさん作るほうが、更新しやすいマニュアルになります。

TemPoを使うと

FireRocket TemPo(テンポ)では、店長がスマホで30秒ほどの縦型動画を撮り、文字や絵文字を載せて、そのまま店の教材にできます。複数の動画をつないで1本にすることもできます。新人はアプリもメールアドレスも不要で、QRコードと受講開始PINコード、名前を入れるだけで動画を見られます。新人の画面は11言語に対応しており、スマホの言語に合わせて表示されます(動画の字幕の翻訳はオプションです)。本部の画面では、全店舗の視聴の進み具合を確認でき、共通の教材を配ることもできます。

よくある質問

Q1.動画の編集が苦手でも作れますか?

凝った編集は必要ありません。1本で一つの作業を、手元に寄って撮り、大切な言葉を文字で載せるだけで、十分に伝わる動画になります。まずは撮ってみて、新人の反応を見ながら直していく方法をおすすめします。

Q2.1本の動画は、どのくらいの長さがよいですか?

勤務の合間に見返すことを考えると、短いほど使われます。30秒ほどで一つの作業が終わる長さを目安に、長くなる作業は手順ごとに分けて撮ってください。

Q3.スタッフの顔が映ってもよいですか?

顔が映る動画を撮るときは、必ず本人の了承を取ってください。手元だけを撮れば顔は映らずに済みますし、作業の内容も見やすくなります。

Q4.動画を作ったら、口頭での説明は不要になりますか?

動画は、同じ説明をくり返す負担を減らしてくれますが、やって見せてもらい、ふり返る時間は残しておくことをおすすめします。動画で予習し、店で実際にやってみる流れにすると、覚えるのが早くなります。

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