飲食店の教育コストはいくら?新人教育にかかる時間を計算する
株式会社グラブデザイン
新人を1人迎えるのに、お店はどのくらいの費用をかけているのでしょうか。求人広告の費用はすぐに思い浮かびますが、入店してから一人立ちするまでの教育にかかる時間は、金額として意識されにくいものです。
店長が新人に付き添って説明している時間、先輩スタッフが自分の作業を止めて教えている時間、新人がまだ慣れずに作業が進みにくい時間。どれも給与が発生している時間であり、お店にとっては確かなコストです。
この記事では、新人教育にかかるコストの内訳を整理し、自店舗で計算するための式を紹介します。計算例に出てくる時給や時間はすべて仮の値です。実際の金額は店舗ごとに大きく違うため、ご自身のお店の数字に置き換えて試算してください。
教育コストは「見えるコスト」と「見えにくいコスト」に分かれる
新人教育のコストは、大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。
種類 | 主な内訳 | 気づきやすさ |
|---|---|---|
見えるコスト | 求人広告の費用、制服や備品の購入費、外部研修の費用 | 請求書が来るので気づきやすい |
見えにくいコスト | 店長の説明時間、先輩の付き添い時間、新人の研修中の時間、マニュアル作りの時間 | 給与に含まれるため気づきにくい |
この記事で扱うのは、主に見えにくいコストです。見えるコストは金額がはっきりしていますが、見えにくいコストは誰も集計していないことが多く、知らないうちに大きくなっていることがあります。
新人1人あたりの教育コストの計算式
見えにくいコストは、次の式で計算できます。
新人1人あたりの教育コスト =(店長の教育時間 × 店長の時給)+(先輩の付き添い時間 × 先輩の時給)+(新人の研修時間 × 新人の時給)
それぞれの項目の意味は次のとおりです。
店長の教育時間:店長が新人に説明したり、付き添ったりしている時間の合計
先輩の付き添い時間:先輩スタッフが自分の作業を止めて、新人に教えている時間の合計
新人の研修時間:新人が説明を聞いたり、見学したりしていて、まだお店の作業として戻りが少ない時間の合計
店長が社員の場合、時給がない場合もあります。そのときは、月給を月の労働時間で割った金額を「時給換算」として使ってください。
計算例(仮の値)
ここからは、式の使い方を示すための計算例(仮の値)です。実際のお店の数字ではありません。
最初の1か月で、新人1人に次の時間がかかったと仮定します。
項目 | 時間(仮の値) | 時給(仮の値) | 金額 |
|---|---|---|---|
店長の教育時間 | 8時間 | 1,500円 | 12,000円 |
先輩の付き添い時間 | 10時間 | 1,200円 | 12,000円 |
新人の研修時間 | 12時間 | 1,100円 | 13,200円 |
合計 | 37,200円 |
この仮の値では、新人1人あたりの見えにくい教育コストは37,200円になります。
さらに、1年間に新人を6人迎えると仮定すると、次のように計算できます。
37,200円 × 6人 = 223,200円(仮の値による計算例)
これに求人広告の費用などの見えるコストが加わります。くり返しになりますが、ここで使った時間と時給はすべて仮の値です。お店の規模や業態、新人の経験によって、実際の数字は大きく変わります。
「同じ説明」にかかっている時間を分けて見る
計算した時間のうち、注目していただきたいのが「毎回同じ内容の説明」にかかっている時間です。ロッカーの場所、タイムカードの押し方、身だしなみの基準、ドリンクの作り方など、新人が変わっても内容が変わらない説明は、新人の人数だけくり返されています。
同じ説明にかかる年間の時間 = 新人1人あたりの同じ説明の時間 × 年間の新人の人数
計算例(仮の値)として、新人1人あたりの同じ説明が2時間、年間の新人が6人なら、2時間 × 6人 = 12時間を、店長が同じ説明に使っている計算になります。
この時間は、説明を短い動画や文章に置き換えることで、店長が直接話す時間を減らせる可能性がある部分です。どの説明が置き換えられるかを見つける手順は、新人が入るたび同じ説明をしていませんか? で紹介しています。
新人が早く辞めると、コストはどうなるか
教育コストを考えるうえで見落とせないのが、新人が一人立ちする前に辞めてしまう場合です。その場合、かけた教育の時間は回収されないまま、次の新人に同じ教育をもう一度行うことになります。
早期の退職によって重なる教育コスト = 新人1人あたりの教育コスト × 一人立ち前に辞めた人数
教育コストを下げるには、教える時間を短くすることと同じくらい、新人が辞めずに一人立ちできるようにすることが大切です。新人が早く辞めてしまう理由と見直すポイントは、アルバイトがすぐ辞める原因は? で整理しています。
自店舗で試算する手順
最後に、ご自身のお店で教育コストを試算する手順をまとめます。
直近の新人を1人選ぶ:最近入店した新人の、最初の1か月をふり返ります。
時間を書き出す:店長の説明時間、先輩の付き添い時間、新人の研修時間を、おおよそで構わないので書き出します。
時給を当てはめる:それぞれの時給(社員は時給換算)を当てはめ、式で計算します。
同じ説明の時間を分ける:書き出した時間のうち、毎回同じ内容の説明にかかった時間に印をつけます。
年間の新人の人数を掛ける:1年間に迎える新人のおおよその人数を掛けて、年間の数字にします。
はじめから正確な数字を出す必要はありません。おおよその数字でも、どこに時間がかかっているかが見えると、教育の見直しを始めるきっかけになります。初日から1か月までに教える項目を整理したいときは、飲食店の新人研修チェックリスト を使って、時間を書き出す項目の目安にしてください。
TemPoを使うと
FireRocket TemPo では、店長がスマホで30秒ほどの縦型動画を撮り、毎回同じ内容の説明を新人向けの教材にできます。新人はアプリもメールアドレスも不要で、QRコードと店舗の受講開始PINコードと名前で始められ、勤務前の確認と勤務後のふりかえりもスマホで行えます。
新人の質問には、お店の動画と資料をもとに AI アドバイザーが答え、答えられない質問は店長に届きます。料金は1店舗 月10,000円(税抜)で、新人・アルバイトの人数では数えません。どのくらい時間が減るかはお店によって違うため、上の手順で試算した数字と比べてご判断ください。
よくある質問
Q1.店長が社員で時給がない場合は、どう計算すればよいですか?
月給を、その月の労働時間で割った金額を時給換算として使ってください。たとえば計算例(仮の値)として、月給30万円で月の労働時間が200時間なら、時給換算は1,500円になります。賞与や社会保険料を含めて考えたい場合は、その分を上乗せして計算することもできます。
Q2.時間を正確に記録していなくても試算できますか?
できます。直近の新人1人の最初の1か月をふり返り、おおよその時間を書き出すだけでも、どこに時間がかかっているかは見えてきます。より正確に知りたい場合は、次に新人を迎えるときに、店長と先輩が教えた時間を簡単にメモしておくとよいでしょう。
Q3.教育コストは、減らせば減らすほどよいのですか?
必ずしもそうではありません。教育の時間を減らしすぎると、新人が仕事を覚えられずに辞めてしまい、結果として同じ教育をくり返すことになります。減らしたいのは、毎回同じ内容をくり返している時間です。その分を、新人一人ひとりに声をかける時間に回すことが大切です。
Q4.TemPo の料金は、店舗の新人が多いと高くなりますか?
高くなりません。料金は1店舗 月10,000円(税抜)で、新人・アルバイトの人数では数えません。1店舗・30日間の無料お試しがあり、カードの登録は不要です。
まずはご自身のお店の数字で教育コストを試算し、そのうえで試してみてください。1店舗・30日間無料で試す 新人の手元でどう見えるかは、スマホで新人の画面を体験する からすぐに確かめられます。
